現在も義母は元気です。
在宅介護始めてもう18年目に突入です。今でこそ僕たち夫婦と要介護5の義母との夢のような理想の在宅介護生活が確立できましたが、ここに来るまでには本当に辛く悲しく暗い日々がずっと続いていました。
介護スタッフや周りの環境に恵まれていなかった当時は義母の介護が中心の生活。
気管切開になってからは喀痰吸引をしなければならないので、義母の側を離れることはできません。ですので夫婦2人でどこかに出かけることは夢のまた夢の世界だったのです。
まさにカゴの中の鳥でした。
その頃の楽しみと言ったら家の中で見つけるしかなく、テレビや映画・ドラマなどを見ながら食べることだけが楽しみだっだのです。そのため2人の体重はみるみる増え、デブ夫婦となってしまいました。
それでも全く気にせずに食べることでストレスを発散していたのかもしれません。
その当時の定番の週末の楽しみと言えば、夕食に出前寿司を頼むこと。毎週頼んでいたので注文の電話をすると「いつもの!」で覚えられているくらい常連になっていました。
お寿司を食べながらテレビを観る。
時にテレビで旅行や話題になっているスポットの番組などをやっている時は、外国旅行に行くくらいの自分には程遠いことのように観ていました。
そして日曜日の朝には決まって僕が買いに行くのですが、マックかモスバーガーが遅めの朝食の定番だったのです。
そして眠くなったら義母の横になって川の字になって3人でお昼寝。
このパターンが週末のお決まりの過ごし方だっだのです。
ですからオシャレをしようとか、ギターを弾こうとかという気持ちは全く起きませんでした。
この時はこの過ごし方が一番幸せだと思っていたのです。
カゴの大きさ内の幸せ。
カゴからちょっと顔を出せばとても広い空があることに全く気づくこともなく何年も過ごした時期です。
今考えると、とても信じられない生活でした。もちろん時には介護の疲れなどで、お互いピリピリしていますので喧嘩もありました。
変な話たまにニュースなどにも上がりますが、義母を殺して夫婦2人も心中なんてことにならなくてよかったです。
今思うと結構ギリギリまでの精神状態にはなっていたと思います。
また辛いなと思ったのは会社で夏休み明けなど、みんなどこどこに行ってきたなどの旅行話や思い出話をしている時でした。
みんな日焼けで真っ黒になっていたり、どこどこに行ってきました!とお土産を買ってきたりと、とても楽しそうな表情を見ていると、胸がキュッと締め上げられるような切なさを感じたものです。
何で俺だけ!
何でうちら夫婦だけ!!
と感じる1番嫌な季節でもありました。
ですから普段の何のイベントもない普通の日常が1番ホットしていたのです。
人の喜ぶ顔や楽しそうな仕草を極力見たくなかったのです。
何もない毎日の、変わりのない生活に安堵感を覚えていました。
今考えると精神的にかなり病んでいて、何に対しても妬みや嫉みを持ってしまっていたのです。
自分たちのことながらよくぞここまで頑張ったと思っています。結局自分らで選んだ在宅介護の道。どんな状態でも目の前の事をやるしかなかったのです。
でも今でこそ、介護に関して大分現実に起きている悪いニュースや厳しい現実が明るみになってきましたが、まだまだ氷山の一角に過ぎません。
本当に良い施設なんてあるのだろうかと疑問さえ覚えます。
現在は少しでも在宅介護でという国の動きもあるようですが、全く実感がありません。
ただ今現在はいつでも義母は家にいるので安心です。施設にそのままいたら、とっくに殺されていたと思います。
介護の世界はまだまだ理想と現実にかなりのギャップがあります。
これから介護の問題に直面される方、また今悩んでいる方に少しでも良い介護ができるように、自分の過去の経験談・ノウハウを発信していこと思っています。
少しでも参考になれば幸いです。介護の辛さはやったことがある人しか分かりません。諦めずにガンバっていきましょう!
必ず道は開けますよ!!
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