施設の近くに引っ越してから妻はほぼ毎日、私は毎週末面会に行っていました。
歩いてすぐなので気兼ねなく行けて、またすぐに行けるという安心感から穏やかな日々を過ごしていました。
たまに連休前など外泊届を出して家に1~2泊させたりもしました。
施設では好きなものを自分で食べられない義母に、この時ばかりは好きな食べ物をたくさん出し、お腹いっぱい食べさせた記憶があります。
しかし、ここで介護という世界は実際にやると色々大変だという事を思い知らされました。
この当時に大変だったことを何点かご紹介したいと思います。
介護タクシーの手配
車椅子で移動しなければならない義母は、施設から近いといってもさすがに簡単に運べる程の距離でもありません。
また実際に車椅子を押してみると分かりますが、アスファルトの上でもチョットした凸凹があるとタイヤが引っかかったりして押すのも大変だし、くぼみに車輪がハマると傾きそうになり危ないのです。
そんな理由から介護タクシーを使わざる負えません。
段差
当時に借りていた部屋はメゾネットタイプの物件だったのですが、玄関の前に3~4段くらい階段がありました。
何の気にも止めていなかったのですが、実際に車椅子に乗った義母を玄関まで上げるのに一苦労でした。
もちろん車椅子などをスムーズに登れるようにする為のスロープもありましたが、これがめちゃくちゃ高い!!
何万円もするもので、たまにしか呼べない私達には手が出せませんでした。
なんとか介護タクシーの方と一段ずつ慎重に上げ無事に玄関までたどり着けたのですが、玄関から家の中に上がるまでには、もう1段高い段差がありました。
こちらは車椅子の後ろのタイヤに重心をかけウィリーするような状態で何とか上げることが出来ました。
ざっとここまでで何度もの山があり本当に一苦労です。
【車椅子の目線になると普段では気づかない事が多々ある】んだなぁ~と思い知らされました。
今ではバリアフリーの場所がかなり増えましたが、まさか普通の家でこんなに大変だとは…
車椅子からベッドへの移動
ベッドも義母の為に介護ベッドではないですが、電動で背もたれが上がるものを用意しました。車椅子からベッドへ移動するにも、やり方が全く分かりません。
義母は全く自分では動けませんのでダラっとした状態でどう義母を持ち上げたらいいのか(汗)。
ゆっくりとベッドの真ん中にずらし左手を義母の肩甲骨のあたりに、右手を立てた義母の膝の下にまわしお姫様抱っこのようにして定位置へ整える。
ここまでやるのに一苦労で汗ダラダラです。
今でこそ余裕で出来るようになりましたが、当時は介護の【かの字】も知らない状態でしたので本当に苦労した記憶があります。
また義母はオムツをしているのですが、当時は妻がやっていました。
こちらも今でこそお茶の子さいさいで僕たち夫婦は出来ますが、当時は妻も汗だくでやっていた記憶があります。
そんなこんなで、やっとの思いでベッドに就いた義母と楽しい会話をしながら幸せなひと時を過ごしました。
こんな大変な苦労が分かった僕達でも後に自宅介護をしたいというキッカケをつくった怖い現実が待ち受けているとは・・・
誰が想像できたでしょうか?
この時は誰も知る余地もなく、外泊でたまに来る義母と3人で楽しい時間を過ごしていたのです。
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