『介護』
一般的に介護のイメージは・・・
- 不安
- きつい
- 辛い
- 汚い
- 施設
- 虐待
- 共倒れ
- 離職
などがあげられるでしょうか。
在宅介護を始めて今年で13年目(2019年6月現在)になります。もちろんここに来るまでには色々ありました。一言では表せないぐらい多くの辛い事やきつい事がありました。
現在僕は妻と義母(妻の母)との3人家族。義母は要介護5の寝たきりの状態で自宅で在宅介護をしております。
これから介護に携わる人、現在関わっている人に対して少しでも私達の経験が参考になればと思い、実際に経験してきた事と感じてきた事を話したいと思います。
今現在は理想の在宅介護というのを手に入れられたような気がします。2階建の家を借り、1Fで気に入った心優しいヘルパーさんに義母を看てもらい、私達夫婦は2Fで過ごしたりどこかに出かけたり。
しかしこんな生活を手に入れたのも本当に最近なのです。ここにくるまでの道のりはかなり長く今思うと、とても濃い13年でした。
途中で諦めようかと思った事が何度もあります。常に精神状態は不安定でピリピリし、夫婦喧嘩も常にしていました。どちらかが付き添ってないといけない状態なので、夫婦2人で出かける事もままならず睡眠不足も手伝って、かなり精神的に病んでいたと思います。
言葉は悪いですが「早く死んでくれないかなぁ」と思った事も正直なところありました。それぐらい精神的に追い込まれていたのです。
それでもなんとか乗り切り現在に至ります。月に何回かは夫婦で出かけられるようにもなりました。年に数回旅行にまで行けるようにもなりました。やっと正常の夫婦生活を迎えられたわけです。今思い返すと、色々ありながらも介護を通して夫婦の絆はかなり強いものになったと思います。
今でも義母は状態が変わりつつも至って元気です。
60歳で脳出血が原因で倒れてから去年で79歳を迎える事が出来ました。
そんな現在の義母の状態を詳しく説明するとこんな状態です。
要介護5で気管切開と腸ろうをしていて四肢麻痺状態です。
【要介護5】とは
要介護は全部で5段階あり、1番重い状態。動作能力が低下し、意思の伝達も困難になり、介護無しには日常生活を送ることが不可能な状態。 義母は完全寝たきりで寝がえりさえ自分で打てない状態です。
【気管切開】とは
気管とその上部の皮膚を切開してその部分から気管にカニューレを挿入する気道確保方法 。もちろん声も出せませんし、口から飲み食いもできません。
【腸瘻】とは
嚥下障害や認知症によって経口摂取が難しい場合に腸に穴を開け、そこから栄養を直接入れる「経管栄養法」のひとつ 。一般的には胃に通す胃瘻の方が多いですが、義母は腸まで通すものです。
【四肢麻痺】とは
両手・両足の麻痺 。完全に手足が動かせず、義母の場合は首から上しか動かせません。
分かりやすく言うと寝たきり状態で、喉に穴が開いていてカニューレが入っています。その為に声が出ません。もちろん口からは食べ物を食べれず腸に開いた管、腸ろうからの栄養・水分補給となります。手足も動かず寝返りも自ら打てません。だら~んとした感じです。
現在はこんな感じですが義母は至って元気です。しっかりと意識もあり顔の表情は変えられるので、その表情を見て会話をしています。
知り合った当時はまだこんな状態ではなく、しっかりと会話もでき口からも食事が出来ていました。
しかし僕はこれらの事を当時は全く分からず介護に対してあまりいいイメージを持っていませんでした。
介護と接するようになったのは妻と知り合ってからです。
介護に対して軽い気持ちで見ていた僕には、後で待ち受ける想像をはるかに超えた異常なまでの現実が待ち構えていたのです。
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