先日の朝刊でこんな記事を読んだ。
ケアマネ、過剰介護を助長?
要介護者への介護計画を立てるケアマネジャー(ケアマネ)が過剰なサービスを助長しているとの指摘が強まっている。介護事業者に雇われているために自社の介護サービスの利用へ誘導しがちで、本来は不必要なサービスを組み込んでいる懸念がある。
2019年11月12日 日経朝刊より
要介護者の状態や環境に合った介護サービスのプランを立て提供していくのが本来の仕事。
その介護サービスを入れるのにあたり、ケアマネ自身が在籍している自分の会社のサービスを不必要に入れているという記事。
これは昔からよくある話だ。
ケアマネの気持ちも分からないではない。
例えば介護ヘルパーを入れたい利用者に自分の会社のヘルパーを手配すれば売り上げにもなるし、連絡等も他の会社より取りやすいしスムーズ。
仕事的にみると一石二鳥以上のメリットがある。
しかし、こういう見方をする事は介護では絶対やってはいけないと思う。
利用者の気持ちを第一優先に考えて、利用者の希望に見合う事業所のサービスを入れるのが、素晴らしいケアマネだ。
事業所によってレベルや相性などもまちまちなので、その辺も考慮に入れるケアマネが理想だ。
介護を効率化するためにケアマネを事業者の経営から切り離し、中立性を高める改革が必要になりそうだ。
要介護認定を受けた高齢者が、自宅で生活しながら介護保険サービスを利用する場合の流れはこうだ。ケアマネが訪問介護やデイサービスといった介護サービスの内容や頻度を盛り込んだ計画(ケアプラン)を立て、どの介護事業所を使うのが良いかを提案する。ケアマネには中立性が求められるが、介護サービス事業者に所属しているのが実情だ。このためグループ事業所の介護サービスをプランに入れがちとされる。収益につなげるための営業員としての側面がある。
2019年11月12日 日経朝刊より
僕達も実際に在宅介護をやり始めた時は何も知らずにこういう形でサービスを入れられていた。
介護をやり始めると何もかもが始めて。
そこへケアマネジャーという立場は天使ではないが救世主的な存在だ。
「何もかもお任せください。」的な感じで頼もしく見える。
右も左も分からない利用者や家族から見たら、介護のやり始めは言われるがままにお願いしてしまうのも自然な流れだ。
それで上手く介護が回ればそれに越した事はないが、例えば僕達の介護の経験ではこんなことがあった。
要介護5の義母は四肢麻痺で全く首から下が動かない。そんな義母にリハビリ的なマッサージを入れられた時期があった。
本人も感覚がないから気持ちいいわけではないし、いくら手足をマッサージされてももう2度と動かないのだ。
もちろん数ヶ月でこのリハビリは必要ないと思ってやめたが、その分介護保険の枠をもっと有効的なものに回したほうが絶対にいい。
要介護者に見合う介護サービスをご家族の方はしっかりと見定めケアプランは今のままでいいのかチェックする事をおすすめ致します。
通常介護サービスはかかった介護費の原則1割を介護を受ける高齢者が負担する。ただケアプランの作成に限っては利用者の負担はゼロで、全額が保険給付だ。財務省は「無料のため利用者からケアマネに対する質のチェックが働きにくい」と指摘。有料化によって要介護者がケアプランに関心を持つようになり、競争原理が働いて質が高まるとみる。一方、利用者の負担が生じるため反対意見も強い。ニッセイ基礎研究所の三原岳主任研究員は「必要なのはケアマネの独立性を高めること」と指摘する。所属事業所の利益を追求しないようにするため、市町村がケアマネにプラン作成の業務委託料を支払う形に変えることも一案という。
2019年11月12日 日経朝刊より
現在ケアプラン代は無料である。
ケアプランは在宅介護を利用する者にとって毎日の生活の一部で、生きていくまたは少しでも現状維持するために必要なプラン。
でも介護に対する自分達の意見を通してきた。
間違っているとは思っていない。
介護施設で幻滅した。
在宅介護に踏み切った経歴があるからこそ妥協はしないし譲れない部分もある。
だから現在のケアマネは5人目。
とても利用者想いで利用者の目線で考えてくれるとても優しく正義感のある人。
いいケアマネに出会えた。
もう少しで10年目の付き合いを迎える。
諦めなければこんな素晴らしいケアマネもいる。
だから介護に携わる人に言いたいことは妥協しないでいい介護スタッフを探していただきたい。
それが良い介護生活を送れる原点なのだから。
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