今日も義母はとても穏やかな表情をしている。
在宅介護をしているが、平日に義母の顔を見れるのは夜の3時間前後。
あとは毎晩夜勤の介護ヘルパーさんが入ってくれているのでバトンタッチだ。
仕事が終わり帰宅するとまず義母の部屋へ行き
お義母さん、ただいま〜
と挨拶を交わす。
まだ気管切開をする前は声が出せたので義母も
お帰り〜〜
と大きな声でいつも出迎えてくれた。
しかし今は気管切開しているので、挨拶をすると目を大きく見開いて
お帰り〜
と一生懸命に言ってくれているのが伝わってくる。
これこそ第六感の会話である。
間違いなく声の出せない義母ではあるが、言ってくれている。
ときには口をパクパクさせ「お帰り〜」と言ってくれる時もある。
声を出せずとも前と全く変わらない義母。
強い人間だ。
いつも義母を見て感じることがある。
気管切開で声が出せなく、四肢麻痺で手足も動かせず完全に寝たりきり状態。
腸婁も開けているので口から飲み食いもできない。
何を楽しみに生きているだろう?
何を生きがいに生きてるのだろう?
何を考えて生きているのだろう?
そんな事ばかり感じてしまうのである。
スピリチュアリズムの江原啓之氏はこんなことを伝えている。
人間の生きる目的はどんな状況になろうとも最後まで生き抜くこと。それが目的です。
と。
義母は江原氏を知っているかどうか分からないが、まさにそれを実行している。
強い人間だ。
ここからは僕の想像だが、義母はきっとそんな状態の身体になっても、その状況で楽しみや幸せを感じているのかもしれない。
それは在宅介護をやることにより娘の妻と僕がいつもそばにいて家族を感じれること。
だから今日も義母に話しかけ、妻と話し笑い普段の生活を楽しく生きている。
きっとそんな日常的な事を味わえる喜びを噛みしめているのかもしれない。
だから今日も笑顔でいつもの日常を過ごす。
こんなことを感じさせてくれる義母は、とても大きな存在だ。
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