在宅介護
極力なら介護施設ではなく家で看てあげたい。
大事な家族なら誰でもそう思う気持ちはあるのではないでしょうか。
僕は要介護5の義母を在宅介護で看てきて13年目に入ります。
ほぼ妻が看ていますが、できる事はサポートしてきました。
この13年の間にはいろんな事があり過ぎて、濃すぎるぐらいの日々でした。
今回はそんな経験を通してきて、『要介護5の家族を在宅介護しようと思っている』とこれから考えている方に向けて書いてみたいと思います。
要介護5の在宅介護 これから始めようと思っている方に持っておいてほしい心構え
現在我が家の在宅介護環境はだいぶ整い、安定してきました。
やっと過去を振り返る余裕が出てきた今、僕が感じたこんな【心構えを持っておいた方がいい】という事をお伝えしたいと思います。
まず第一には、なぜ自宅でご家族を看て上げたいのか、もう1度理由をはっきりさせる事が大事です。
在宅介護介護は、はっきり言って大変です。
要介護5だとさらに想像を超える苦労がたくさん待ち構えています。
浅い考えで始めると介護ケアがおろそかになったりして、要介護者本人にも悪い状況になりかねません。
これでは本末転倒です。
僕の義母の場合は、7年間老健・特養と過ごしてきましたが、運悪くいい施設に巡り合えず殺されかけそうになったので、在宅介護介護に踏み切りました。
介護施設で殺されるぐらいなら家で看ようと決意したのです。
いろんな想いや考えがあると思いますが、もう1度冷静になって、どうして在宅介護をしたいのか、よく考え家族で話し合うことが大事です。
2.自分の自由時間がなくなると腹を括る
要介護5の在宅介護ともなればやらなければならないケアが増えます。
慣れるまでは毎日がドタバタで完全に介護中心の生活。
上手に介護サービスを使っていきたいですが、上手く軌道に乗るまでには簡単にはいきません。
自分の時間を持つのはほとんど無理です。
介護サービス事業所は当たりもあればハズレもある。
経験上、納得できる良いサービス事業所が簡単に見つかる確率は極めて少ないです。
その介護サービスを入れられるようになるまでには自分と家族が看ていくしかないので、ほぼ自分の時間など持てないと思った方が良いでしょう。
3.普通の生活ができなくなると腹を括る
これも要介護者の状態に寄りますが、要介護5ともなれば、横に付き添って見守りをすることが必須となります。
喀痰吸引をしたり部屋の温度調節をしっかりやったり、汗をかいてれば着替え、オムツも定期時間以外にも交換しなければならないことも。
僕の義母の場合は喀痰吸引は突然にやってくるので、夜の睡眠時にも横に寝ていて痰が上がってくれば吸引していました。
全く上がらない夜もありましたが、ぐっすり眠れる睡眠時間はほぼとれない時期を数年過ごしました。
またてんかん発作もたまに起きるので離れる事は出来ません。
夜は寝る、食事をしたい時は味わって食べる、外出したくなったら出かける、等の当たり前の生活は出来なくなります。
4.家族関係をしっかり確認する
要介護5の在宅介護をしようと思う前に家族でしっかり話し合うことも大切です。
1人でずっと看る事は共倒れになる可能性もあるので、家族の協力が必要です。
我が家の場合は僕と妻で交代で夜勤日を変えたり、どちらかが見守っているときに買い物に行ったりとお互いに協力していました。
介護を1人でやろうとすると無理がたたるので、あなたまで倒れてしまいます。
しっかりと話し合い協力体制を確認してから踏み切る事をオススメします。
5.在宅介護サービスは慎重に選ぶ
先ほども軽く触れましたが、介護サービスも事業所によってカラーがかなり違います。
良い事業所、悪い事業所、良い介護ヘルパー、悪い介護ヘルパーは何度
も見ていくうちに見分けられる能力がついてきます。
も見ていくうちに見分けられる能力がついてきます。
誰でも入ってくれればありがたいという気持ちにもなりますが、悪い事業所や介護ヘルパーだと地獄を見ることになります。
時間がかかっても良い事業所・ヘルパーを入れることを強くおすすめします。
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6.家の間取りは重要
住まいの間取りは、そのご家族によってどうにもならない方もいると思いますが、もし賃貸でどうにかなるのであれば考慮したいところです。
介護環境が整ってくると各介護スタッフの自宅への出入りが多くなってきます。
間取り的に介護する部屋を通らないと他の部屋へ行けないとか、プライベートルームが介護部屋の隣だと落ち着いて休めなかったりという問題も出てきます。
オススメの物件は2階建ての戸建てで1階の部屋に介護部屋、2階部分は自分たちのプライベートルームと分けられると介護ヘルパーが入っている時には、神経を使わずに自分たちの時間がゆっくり過ごせます。
可能であれば考慮に入れたいポイントです。
7.上手に介護サービスを入れれば明るい未来が待っている
これも先程触れましたが、僕たちが一番苦労した1つです。
介護は1人でも多くの協力者がいるに越した事はありません。
ご家族以外にはどうしても介護サービスを入れていくしかありません。
しかしその介護サービスを入れていくにあたり、信じられないような事業所やスタッフが多いこと。
本当にビックリの連続です。
でもそこで諦めてしまうと終わりです。
僕たちも今の素晴らしい各介護スタッフを見つけるまでは、事業所リストで何十社と片っ端から電話をかけまくりました。
良い事業者が見つかっても今度はスタッフが!!
ということもありました。
今までに我が家に入ってNGを出したスタッフは計り知れません。
でもそれを乗り越えたからこそ今の素晴らしい人達に会えたのです。
8.最後に
これから要介護5の在宅介護に踏み切ろうと思っている人にはかなりキツイような内容ばかり書いてしまいました。
しかしどうしても伝えたいことは、それぐらい在宅介護をすることが大変だということです。
ここまで述べてきたようなことが起こりうり、それを乗り越えていかなくてはなりません。
大事なご家族を家で看たいというのは誰しも思うこと。
だからこそしっかりと考え、周りと話し合い、腹を決めてやってほしいと思います。
決心がついたらあとは介護環境が整うまで前進あるのみです。
諦めずに良い事業所を見つけ素晴らしい介護スタッフに巡り合えれば、要介護5の在宅介護はとても素晴らしいものになっていくでしょう。
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