
常に日頃のストーリーはサザエさんがどうしたとか、カツオがああしたとかで家族共通の話題になる。
現在は特にそうだが、ある程度物心がつく世代は自分の部屋に閉じこもってしまう家族が多いのではないか。
サザエさん一家では学校で起きた出来事やマスオさんが会社で何があるとか家族全員で話し合う姿が微笑ましい。
なかなかここまで密な家族は少ないと思うが、家族一致団結というところは見習うべきところが多い。
こちらも現実的には少ない形だが、子供のいる家族にとっては1番いい環境だ。
子供がいつ家に帰っても出迎える家族がいる。帰ってきたら今日は何があったとか宿題やってから遊びに行きなさいとか懐かしさもこみ上げるが、理想の構成ではないか。
愛情たっぷりの家族である。
サザエさん家には唯一の通信ツール。
僕が高校生の頃までもそういう家庭が多かったが、現在では信じられないことである。
でもこれはこれで良いこともある。
電話1本の重みがある。
現代の連絡が簡単に取れる時代と違って、電話の前で待ったりするワクワク感や話すのが楽しいといった電話の存在感が大きいのだ。今や電話もほとんどしない現代っ子からしたら新鮮そのものではなかろうか?
好きな子の家にかける時に「親が出ないでくれ!」と呼び出し音を聞きながらドキドキした若い頃を思い出す。
そんな思い出も詰まった黒電話は、電話1つでも1場面1場面心に残る記憶は大きい。
毎日のサザエさんの買い物は徒歩。
徒歩で行くとご近所さんと合うと会話なんかも飛び交うところがいいのではないか。
また歩くことによって道中で起こる出来事なんかも魅力の1つだ。
どこどこの花が綺麗に咲いている、誰々さん家が何かをやっている、など徒歩ならではの気づきというところも、普通の生活の中での楽しさを教えてくれる。
波平やマスオさんは釣りやゴルフに行く時には車がないのでバスや電車を使うが、車中などの人とのふれあいやコミュニケーションが面白い。
知り合いにあったり、「今日は釣れましたか?」などの会話も時には飛び交う。
また車というものがあると気軽にどこでも行けてしまうが、無いことにより出かけるのも1つのイベント的に重大なものになり、より楽しんでいるようにも感じられる。
楽しみの番組を家族揃って観る。まさに昔の『8時だよ全員集合!』や『オレたちひょうきん族』を観ていた時のことを思い出す。
昔はテレビを家族揃って観ることは当たり前だったのだ。
ここでも家族のコミュニケーションは増える。一石二鳥以上である。

今なら家族でもスケジュールがみんな違い、揃って食べる家庭は少なくなっていると思うが、理想はこんな食卓である。
テレビをつけずに円卓を囲み、家族全員の会話をおかずに食べる食事は幸せの象徴とも言える。
今の時代とは程遠いサザエさんの生活。
設定が昭和なので仕方のないことだが、技術が発達した現在からみると忘れていたことを思い出させてくれるシーンがたくさん出てくる。
まだまだ上記以外にも魅力が沢山あるが、サザエさん一家が幸せなのは【モノ】に執着していないところだろう。
根本的にシンプルな人間生活を中心に、普段の小さなことや何気ない事、人とのコミュニケーションの中で幸せを感じさせてくれている。
今の時代はなんでも簡単に手に入り、モノに溢れた生活を送れて便利だが、その中で忘れてしまったものを思い出させてくれる。
幸せとは何か?
便利な世の中?
モノ?
金?
肩書き?
そんな目線で観てみると、幸せのヒントがサザエさんには沢山散りばめられているように思えるのは僕だけだろうか。
去年遊びに行った記事です。サザエさんの魅力がたっぷり!
【関連記事】
コメント